インタビュー

サービス提供責任者

亡き祖母への恩返しの思いも込めて
この仕事に取り組み、楽しんでいます。

かほく市社会福祉協議会 中央訪問介護事業所(かほく市)
サービス提供責任者 武田 実里さん

この仕事に就いたきっかけを教えてください。

大きなきっかけは、高校2年生の時に祖母が亡くなったことです。畑仕事に励むなど元気な祖母でした。多感な高校生だった私は当時、祖母に対してひどいことばかり言っていたのですが、祖母は何も言わずにいつも私のために何でもしてくれました。そんな祖母に何一つお返しができなかったことから、お年寄りを少しでも助けたい、寄り添いたいと思うようになり、この仕事を選びました。この思いがあるからこそ、介護の仕事を20年も続けることができたのでしょう。今は地域のお年寄りが住み慣れた家で暮らせるように、少しでも力になることができればと頑張っています。

この仕事の魅力や楽しさは?

「ありがとう」と言われることに尽きますが、仕事をしているとさまざまなことに楽しさを感じます。例えば、調子が悪い方には追加のサービスプランがケアマネージャーから指示され、それに沿った介護を行います。その結果、元気な姿を見せてくれると、本当に良かったと思います。また、利用者さんは人生経験が豊富な方ばかりで、何でもご存知です。こちらが謙虚な姿勢で分からないことを尋ねると、丁寧に教えてくださいます。それがうれしくて「聞かせてください」とお願いしては、勉強させてもらっています。訪問介護は本当に面白い仕事です。あと、個人的には利用者さんが足や腰の痛みを訴えると、「今まで頑張ってきたからだよ」と返すようにしています。祖母にかけてあげられなかった言葉を、利用者さんを通して伝えられているような気がします。

家庭と仕事の両立は難しくないのですか?

職場の先輩方は育児に理解があり、子どもの行事や急な通院などに合わせて勤務を代わってもらうなど、日頃から本当に助かっています。以前は夜、仕事へ出かけようとすると小学生の子ども2人から「お母さんじゃないとダメなの?」「また、行かないといけないの?」と言われ、後ろ髪を引かれる思いもしましたが、少しずつ私の仕事のことを分かってくれたのか「いつもありがとう、応援しているよ。お世話頑張って」と手紙をもらったこともあります。本当にうれしかったですね。今では家事を手伝ってくれたり、「今日はどうだった」と興味を示してくれたりと、周囲の支えはもちろん、子どもの成長のおかげでうまく両立できています。

介護・福祉の仕事を考えている人たちへメッセージ

訪問介護の仕事はプロの料理人でも掃除屋さんでもありません。料理は普通の家で、ごく普通にご飯を食べるような献立で十分です。不安があれば先輩に相談し、アドバイスをもらうことができるので、難しいことはありません。お年寄りと話すことが好きで、挨拶や感謝の言葉を素直に伝えることができれば大丈夫です。あとは謙虚で、同じ目線で話をすることができる方なら、訪問介護の仕事をぜひ目指してください。

かほく市社会福祉協議会 中央訪問介護事業所(かほく市)
サービス提供責任者 武田 実里さん