介護職員
毎日たくさんの「ありがとう」に支えられ
利用者さんから元気をもらっています。
福祉の仕事を始めたきっかけを教えてください。
高齢者が多い地域で生まれ育ったせいか、お年寄りはとても身近な存在でした。両親が共働きで子どもの頃はいつも祖父母の世話になっていたので、将来両親や祖父母に介護が必要になった時は、役に立ちたいという思いがありました。実際に就業するきっかけとなったのは、高校生の時に老人施設での実習を経験したことです。実習ではお年寄りから自分の知らない昔のことを聞くことが楽しく、時には勉強になることもたくさんありました。また、実習先の職員の皆さんが一生懸命働く姿を見て、人の役に立つやりがいのある仕事だと感じ、自分も介護の現場で頑張りたいと思うようになりました。
仕事の中で大切にしていることはありますか。
利用者さんとの関わりの中で一番大切なのは、信頼関係だと私は思います。その信頼を築く第一歩として、朝は「おはようございます、田畑です」と、挨拶のあとに必ず名前を付け加え、顔と名前を覚えてもらうことを意識しています。当施設では認知症の方も多くいらっしゃるのですが、その方たちにも毎日続けることで覚えてもらいました。地道な取り組みが実を結んだと感じたのは、部屋から出たくないという利用者さんが「(田畑さんが)いるなら」と出てきてくれた時ですね。このほか、1日中、椅子に座ってぼんやりしている方には何か楽しみを持ってほしいと、パズルで遊ぶことを提案したこともあります。始めはしぶしぶと応じてくれていたのですが、やがて完成させることに達成感を感じたのか、いつの間にか毎日の楽しみとして受け入れてもらえたこともうれしかったです。
将来の夢や目標を教えてください。
日常介護に関する知識や技能を競い合う「介護技能グランプリ」の食事介助部門で最優秀賞をいただき、ほかの施設に講師として招かれることが多くなりました。勤務する施設では新人教育も担当しているので、自分が学んできたことを人に伝える技術を学びたいです。そのためには自分自身の知識や技術を磨き、スキルアップして、より良いサービスを提供できたらと思います。身体機能が衰える中でできることを見極め、毎日継続してどこまで能力を維持できるかを考える。それが利用者さんのためであり、私のやりがいでもあります。