インタビュー

施設長

多くの人とつながりながら、
人の一生に深く関わる仕事です。

社会福祉法人 佛子園
三草二木行善寺(白山市)
施設長 速水 健二さん

ユニークで素敵な施設ですね。

施設の利用者と近隣住民がつながりを持ち、地域をもっと元気にする場として当施設は誕生しました。館内や周辺の清掃、食事処で提供する料理の調理、周辺の独居高齢者への食事配達など、障害のある利用者がスタッフとともにさまざまな活動に取り組んでいることが特長です。施設であって施設ではないところが自慢で、誰しもが「自分はここで頑張っている」と誇りを持てる場所を目指しています。私の主な役割は当施設で何かをしたい人、これから福祉に携わりたい人に会って話をすることと、スタッフとこの施設をより良くするための計画を立てることです。裏方として地域の元気に貢献しています。

仕事のやりがいや楽しさはどのようなところにありますか?

福祉の世界では、いわゆる「正解」というものがありません。支援一つとっても、いろいろな人と「こういうことをやってみよう」と話し合い、行動することが大切です。一人ではなく仲間がいるので、たとえ失敗してもくじけることはありません。例えば、障害のある方の活動の場である当施設では「地域を元気にするプロジェクト」を地域と連携しながら展開しています。その中で障害のある方はサービスを受ける側ではなく、調理や清掃、配達などの役割を担い、一緒にプロジェクトを進めていくメンバーです。私はコーディネート役として参加していますが、みんなで協力することの楽しさをあらためて感じています。

忘れられないエピソードを教えてください。

障害のある児童が入所する施設で勤務していた頃、退職するスタッフに対して子どもたちが「あの人は家に帰れていいよね。でも僕たちはどれだけ嫌なことがあっても大人になるまでここを出られない」とつぶやいたことが印象に残っています。この子たちと一生のお付き合いをして関係を築こうと決めました。就労支援に力を入れ、挑戦したいことは実現できるように、子どもたちの人生をより真剣に考えるようになったのもこの言葉があったからです。本当に日々、彼ら彼女らのおかげで私は仕事ができていると思います。もう一つ、この施設を立ち上げるために、地域の皆さんが全力を挙げて協力してくれたことも忘れられません。

介護・福祉の仕事を考えている人たちへのメッセージ

福祉の仕事に限ったことではありませんが、人はみな好不調の波があります。たとえ調子が悪くても、自分のためではなく誰かのためと考えれば、きっと力を発揮できるでしょう。人に尽くす気持ちを持てば、僕ら自身の幸せにもつながります。そのような気持ちで頑張ることのできる人が福祉の世界に増えればいいなと思っています。

社会福祉法人 佛子園
三草二木行善寺(白山市)
施設長 速水 健二さん