インタビュー

施設長

時間をかけ、ゆっくり関わることで
その優しさは必ず伝わります。

社会福祉法人 眉丈会
特別養護老人ホーム 金澤五番丁(金沢市)
施設長 勝裕 健司さん

福祉の仕事を始めたきっかけを教えてください。

この仕事に就く前は、ホテルでパティシエをしていました。お菓子づくりは魅力的な仕事でしたが、父の入院をきっかけに誰かを支えることを真剣に考えるようになり、もう一度学び直して福祉の道を歩むことに決めました。卒業後、介護施設に転職した当時は、まだ男性職員が少なく女性の利用者さんからケアを拒まれるなど苦労しましたが、覚悟を持って福祉の世界に飛び込んだので、意地でも続けようと踏みとどまりました。パティシエ時代に身につけた先輩の技術を積極的に習得する姿勢は、介護の世界に入った後も大いに役立ちました。

これまでに心に残っていることはありますか?

入職1年目のことです。介護の現場では、日々状態が変わる入居者さんに合わせて支援の方法を決めていきます。いつも通り、声掛けをして介助していたつもりが、相手にとっては押し付けるような形になったようで非難を受け、落ち込んだことがあります。その時、先輩に相談すると、「人対人の仕事だから、いろんなことがある。そうなった時は余りくよくよ考えず、まずはどのようにすれば上手く行くかを考えればいい。」と返ってきました。このアドバイスのおかげで私は強くなることができ、その後十数年と仕事を続けることができたのだと思います。

施設長として心がけていることを教えてください。

施設全体で取り組まないといけないことがたくさんあります。例えば、「おもてなし」。来所されたご家族はもちろん、仕事で来られた業者の方にもこちらから笑顔で元気よく挨拶するという意識を今まで以上に高めたいです。このほか、健康や衛生管理についてはマニュアルがありますが、やはり入居者さんとの日々のコミュニケーションをベースにした確かな観察が大切で、ちょっとした変化に気づかないと意味がありません。施設長としては、職員に仕事の魅力ややりがいを見出してもらうことも、大切な役目だと思っています。

介護・福祉の仕事を考えている人たちへのメッセージ

「初心忘るべからず」という言葉があります。何かを始めようとする時の真剣でまじめな気持ちを決して忘れないでください。もう一つ、仕事をしていれば、小さな失敗やミスはつきものです。それでも、決して諦めずに挑戦してください。最後に成功できれば、それは失敗ではありません。何事も前向きにとらえてほしいですね。

社会福祉法人 眉丈会
特別養護老人ホーム 金澤五番丁(金沢市)
施設長 勝裕 健司さん